決断とは
少し時間は遡るが、私が尊敬してやまない相葉くんが、紅白白組の司会者に決まったというニュースが舞い込んできた。それも単独で、だ。
相葉くんを応援するようになってから6年弱のひよっこが何を失礼な、とお思いの方もいらっしゃるでしょうが、まさか、こんなお仕事をやってみせてくれる日がくるなんて想像したこともなかった。
嵐は、五人の世の中からの需要の「種類」と「大きさ」のバランスが取れていることが人気を不動のものにした大きな要因のひとつだと私は思っている。
おっとりしてるけど芸術肌で、その世界に人を強烈に惹きつける大野くん
(公言したことを後悔しているらしい)インテリ担当かつキングオブ爽やか櫻井くん
頭の回転が速いが故に計算し尽くされた愛されワンコ気質、演技派二宮くん
他を寄せ付けない圧倒的華やかさと、それを支えるだけの情熱の持ち主松本くん
そして
いつも笑顔で地元の商店街にいそうな動物好きの青年相葉くん
この中で、もしも、単独で紅白の司会をするなら櫻井くんだろうって、きっと多くの人が思ったと思う。(もちろん今でもその可能性は今後当然あり得るものと考えています)
正直ね、私も、思ったよ。もう何十回も出演しているであろうたった一時間の歌番組でさえ毎回緊張して、生放送苦手なんだよなぁ・・・ってぼやいてた彼よりも、長丁場の歌番組の総合司会を毎年、さらに刻一刻と状況が変わる中でコメントを求められる選挙特番もやってきた櫻井くんの方が当然経験値も安定感もある。
ほんとに!?ほんとに相葉くん一人!?って、しばらく状況を飲み込めなかった。
だけど、オファーを受けた際の心境についての記事を読んで、「あぁ、この仕事は間違いなく相葉くんにきたものなんだ」って思った。
メンバー四人が言ってたように大事なのは、完璧か否か、ではなく相葉くんらしさ。
いっぱい悩むし、不安もある。だけど、それも全部ひっくるめてのあの笑顔と雰囲気が、今回の紅白にピッタリだったってことだよね?
人間誰でも、何かを選んだり、どちらかにしか進めなかったり、今なのか今じゃないのかを考えるタイミングがある。
たとえばりんごかみかん、どちらか好きな方を選んでいいよと言われたとき、大体の人は何かしらの尺度が大きい方を選ぼうとする。
たとえば「好き」という尺度を1〜5で表したとき、より大きい数値が付く方を選ぶということだ。
りんごとみかんならりんごの方が「好き」だけど、今朝りんごを食べたから「今食べたい」のはみかんかな。そんなときもあるはずだ。
この場合、どちらがより「好き」かではなく、どちらが「今食べたい」か、となり、みかんを選ぶということだ。
このように尺度の基準は人や時と場合によって無限に存在する。
そして、決断が大きな責任を伴ったり、苦しい状況であればあるほど人は選択を誤りがちである。
ここでいう「選択の誤り」とは「みかん」と「りんご」を選び間違えることではない。みかんとりんごを選ぶ基準として自分が設定した「尺度」を選び間違えることだ。
私がA社とB社から内定をもらったとする。将来に関わることなので、どちらの会社に就職するか非常に悩ましい。
そして最終的に、知名度の高い大手A社に決めた。大手企業に勤めることがこのときの私にとって優先すべきステータスだったということだ。
しかし入社してみると、実は給料も低く残業が多いいわゆるブラック企業だった。
体調がすぐれない日々が続き、次第に心も病んでいく中で私は後悔の念に駆られる。
「あのとき、A社ではなくB社を選んでいればなぁ・・・」
(フィクションです)
ここで考えて欲しいのは、後悔すべき点がずれている、ということである。
「知名度の高さ」を尺度として設定した時点でA>Bとなり、B社を選ぶことはないからだ。正しくは「知名度なんかで決めずに、きちんと実情をみて決めるべきだった」になる。
尺度の設定がうまくできない人は、自分の進む道がどんどんぶれていってしまうのだ。
話を戻そう。
紅白の司会ともなると普通なら思わず、自分にやり通すだけの「自信である?」「ない?」、リハーサルに割ける「時間がある?」「ない?」と、ぬぐいきれない多くの不安をそのまま自分の尺度に設定しそうになる。
だけど相葉くんはどんなときでも自分が「後悔するか?」「しないか?」という尺度で決断を下す。数え切れない、計り知れない大きな不安の全てをひっくるめて「後悔しない」ためのパワーに変える。
ファンとして、相葉くんがそういう決断を下すタイミングで彼を応援できることはなによりも幸せなことである。
長い目で、客観的に、でも譲れない思いを芯に据えながら自分と向き合い続ける姿勢こそが相葉雅紀の強さであり、私の人生のお手本だと思ってる。
長くなりましたが、紅白司会、心から応援しています。